ギリシャ、過剰財政赤字の是正手続き終了へ 欧州委が提案

(日本経済新聞) -EU=欧州連合の欧州委員会は12日、ギリシャを、過剰な財政赤字を是正するための監視対象リストから外すよう加盟国政府へ提案することを決めました。


ギリシャはEUなどからの金融支援を受けながら財政立て直しを進め、2016年はわずかながら財政黒字を達成しました。モスコビシ欧州委員(経済・財務担当)は「ギリシャは財政緊縮のページをめくり、成長と投資、雇用の新たな章を開いた」と評価しました。

09年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で15.1%に達するなど財政難に陥ったギリシャは、欧州委から「過剰財政赤字是正手続き」の対象国に指定され、予算編成の裁量などを制限されてきました。しかし、金融支援と引き換えに財政再建策を実行し、16年はGDP比で0.7%の財政黒字を確保しています。欧州委は健全化の進展を評価し、手続き完了の提案に踏み切るということです。

ただギリシャの債務残高は16年末時点でGDP比179%の3148億ユーロ(約40兆7千億円)と高水準です。金融市場での国債発行による資金調達の道は閉ざされたままで、金融支援頼みの財政運営が続いています。


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